陶房 火風水だより


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新しい一年の始まりに。

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  世界はうつくしいと       長田 弘

うつくしいものの話をしよう
いつからだろう。ふと気がつくとうつくしいという言葉をためらわず口にすることを誰もしなくなった。
そうして私たちの会話は貧しくなった。

うつくしいものをうつくしいと言おう。
風の匂いはうつくしいと。渓谷の石を伝わってゆく流れはうつくしいと。
午後の草に落ちている雲の影はうつくしいと。遠くの低い山並みの静けさはうつくしいと。
きらめく川辺の光はうつくしいと。大きな樹のある街の通りはうつくしいと。
行き交いの何気ない挨拶はうつくしいと。花々があって奥行きのある路地はうつくしいと。
雨の日の家々の屋根の色はうつくしいと。太い枝を空いっぱいに広げる晩秋の古寺の大銀杏はうつくしいと。冬が来る前の曇りの日の南天の小さな朱い実はうつくしいと。コムラサキの実の紫はうつくしいと。
過ぎてゆく季節はうつくしいと。
さらりと老いてゆく人の姿はうつくしいと。

一体、ニュースとよばれる日々の破片が私たちの歴史というようなものだろうか。
鮮やかな毎日こそ、私たちの価値だ。

うつくしいものをうつくしいと言おう。
幼い猫と遊ぶ一刻はうつくしいと。

棕櫚の枝を燃やし灰にしてまく。
何ひとつ永遠なんてなく、いつかすべてちりに返るのだから、世界はうつくしいと。

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本年もどうぞよろしくお願いいたします。
陶房 火風水 奥平清正  真穂

by tobohifumi | 2011-12-30 23:31 | Comments(0)